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降下性壊死性縦隔炎

No.5007 (2020年04月11日発行) P.49

城所嘉輝 (鳥取大学胸部外科)

中村廣繁 (鳥取大学胸部外科教授)

登録日: 2020-04-12

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【降下性壊死性縦隔炎に対する治療のエッセンス】

降下性壊死性縦隔炎(descending necrotizing mediastinitis:DNM)は,口腔あるいは咽頭感染から二次的に起こり,死亡率は以前よりも低下しているものの,いまだ17.5%と重篤な疾患である1)。初期には,発熱,咽頭痛や嚥下痛など頸部領域を反映する症状がみられ,降下するにつれて呼吸困難などを伴うようになる。

DNMは早期の治療が重要であり,直ちに抗菌薬治療とドレナージを行う。起炎菌はグラム陽性球菌から嫌気性菌など多岐にわたるため,広域スペクトラムの抗菌薬で治療を開始し,細菌検査の結果に応じて順次変更する。頸部ドレナージに加え,縦隔炎の進展度合いに応じた胸部手術を行う。気管分岐部を超えて降下しているType Ⅱ2)では,膿瘍が前縦隔から後縦隔に広く進展するため,胸腔からのアプローチが必要となることが多い。

DNMでは複数回の手術を要することがあり,近年では低侵襲の観点から胸腔鏡が選択されることが多い。筆者らは,持続的なドレナージ効果のため胸腔鏡下で縦隔を広く開放し,効率的な洗浄効果を期待してパルス式洗浄器3)を用いた手術を行っている。手術後も残存した膿瘍が降下してくるため,術後48~72時間で頸胸部CTによる評価1)を行って,再ドレナージの必要性を検討することが重要である。

【文献】

1) Prado-Calleros HM, et al:Head Neck. 2016;38 (Suppl 1):E2275-83.

2) Endo S, et al:Jpn J Thorac Cardiovasc Surg. 1999;47(1):14-9.

3) Nakamura H, et al:Gen Thorac Cardiovasc Surg. 2010;58(3):126-30.

【解説】

城所嘉輝,中村廣繁 鳥取大学胸部外科 *教授

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