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内転型痙攣性発声障害の治療方針について

No.4990 (2019年12月14日発行) P.60

金澤丈治 (国際医療福祉大学東京ボイスセンター副センター長)

中村一博 (日本大学医学部耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野診療准教授)

登録日: 2019-12-13

最終更新日: 2019-12-11

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  • 最近,痙攣性音声障害(spasmodic dysphonia:SD)に対して,ボツリヌストキシン(botulinum toxin:BT)の声帯内注入療法の保険適用や手術でのチタンブリッジの薬事承認が認められるなど大きな変化があります。しかし,両者の使いわけに関してはいまだ議論の余地があることと思います。
    内転型痙攣性発声障害の治療方針について,日本大学・中村一博先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    金澤丈治 国際医療福祉大学東京ボイスセンター副センター長


    【回答】

    【治療コンセプトは声門の過閉鎖の改善】

    SDの本態は甲状披裂筋に限局したジストニアです。発声時に不随意に声門が過閉鎖するために声がつまります。有病率は10万人に5~6人と言われています。

    治療コンセプトは声門の過閉鎖の改善です。その方法としては,BT声帯内注入術,甲状披裂筋(thyroarytenoid muscle:TA)切除術,甲状軟骨形成術2型(type 2 thyroplasty:TP2)の3種類があります。欧米と異なり,保険診療が基本であるわが国では,BT注入術とTP2は保険などの問題から,限られた施設でしか施行できなかったという事情がありました。BTはSDへの薬剤としての保険適用がありませんでした。TP2はスペーサーとして用いるチタンブリッジの薬事承認がありませんでした。

    2018年にBT注入術とTP2が保険収載されました。どちらも施設や施行医の認定制ではありますが,初めて全国的に保険診療で施行可能になり,治療方法として3種類から選択可能になったのです。選択肢が増えたことで,逆に悩ましくなったともいえます。

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