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すっきりしないインフルエンザ × 柴胡桂枝湯[漢方スッキリ方程式(32)]

No.4985 (2019年11月09日発行) P.14

鈴木聖子 (名古屋市 すずこどもクリニック院長)

登録日: 2019-11-07

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今年は10月から学級閉鎖のニュースが流れ,例年になく早くインフルエンザのシーズンが到来した。

インフルエンザウイルス感染時,熱という生体防御反応は必要であるが,不安が先行し,熱を下げることに躍起となる例がみられる。『傷寒論』で麻黄湯はインフルエンザだけではなく,いわゆるかぜの初期段階に使用する薬として知られるが,臨床の現場では,ゾクっとしたタイミングで受診できることは少ない。

インフルエンザの流行期,予約外はもちろんのこと,予約制というシステムにおいても,一見待ち時間は少ないが待たないのは院内だけであり,順番が遅ければ家で数時間待った後に診察。やっとの思いで処方薬を手元に用意し,ぐずっている子どもに与薬する時には小柴胡湯と桂枝湯の合わさった柴胡桂枝湯の飲ませ頃になっている。

証に応じて麦門冬湯なども考慮

インフルエンザといえば新薬も登場し,2018/19シーズンからすでに耐性ウイルスがある程度の割合で検出され,適正に使用するよう注意喚起されている。

今回の症例は,経過からは発熱当日に処方しているが,新薬の恩恵にはあずかれなかった症例である。基礎疾患に気管支喘息もあり,咳嗽が遷延した。証に応じて麦門冬湯や麻杏甘石湯,柴朴湯,五虎湯なども考慮する。2018/19シーズンのインフルエンザA型は消化器症状(嘔吐)を伴う傾向であり,ドーピングに触れる麻黄も含まれず,すっきりしないときに救世主となる柴胡桂枝湯がよいかもしれないと判断した。

麻黄湯は主に発汗前に使用するが,胃腸障害を起こすことがあるため胃腸の弱い場合は避ける。発汗後は病後の回復を促す柴胡桂枝湯がおすすめである。

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