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マイクロアレイ法を中心とする新技術に基づく出生前診断が,わが国で本格導入される上での条件・留意点とは?

No.4983 (2019年10月26日発行) P.54

佐藤 卓 (慶應義塾大学医学部産婦人科学教室)

佐々木愛子 (国立成育医療研究センター 周産期・母性診療センター産科)

登録日: 2019-10-28

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  • マイクロアレイ法を採用した出生前診断の今後の展望について,国立成育医療研究センター・佐々木愛子先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    佐藤 卓 慶應義塾大学医学部産婦人科学教室


    【回答】

    【専門施設に限っての実施が望ましい】

    出生前に行うマイクロアレイ染色体検査の実施は,現在,海外の検査施設に検体を提出するか,自施設で解析を行うのであれば可能な状況です。しかし,わが国での実施にあたってのガイドラインなどはなく,産婦人科医が臨床上の必要性を判断した際に個別に実施されています。

    一方,米国産科婦人科学会(American College of Obstetricians and Gynecologists:ACOG)による最新のcommittee opinionでは,わが国で実施適応となることが多い「胎児に形態異常が疑われる妊婦」のみならず「侵襲的検査を実施する予定のある妊婦」も検査対象とされており,その実施範囲は広がりつつあります。先進諸外国では,従来のGバンド法による羊水染色体検査で発見されていた胎児の常染色体数的異常は無侵襲的出生前遺伝学的検査(noninvasive prenatal genetic testing:NIPT)で見つかる時代となっており,それに代わり侵襲的検査では先天性疾患の原因の10%を占めるとされる,より微細な重複・欠失をマイクロアレイ染色体検査にて検出しようとする流れになっています。

    わが国は,出生前遺伝学的検査に対して,諸外国とは異なる社会背景や歴史がありますので,一概に海外と同じ経過をたどるとは限りませんが,この新しい技術をどのように必要とする患者に還元していくか,検討していく必要があります。

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