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EBM〈総論〉─開業医やプライマリ・ケア医がEBMをどう役立てられるか[プライマリ・ケアの理論と実践(31)]

No.4978 (2019年09月21日発行) P.10

南郷栄秀 (JCHO東京城東病院 総合診療科科長)

登録日: 2019-09-19

最終更新日: 2019-09-18

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SUMMARY
EBMは診療現場の疑問を解決する方法である。エビデンスに加え,患者の病状と周囲を取り巻く環境,患者の意向と行動,私達の臨床経験をふまえ,最善の判断を行う。開業医やプライマリ・ケア医がEBMを正しく活用することで,診療の質向上が期待できる。

KEYWORD
エビデンス
エビデンスとは,特定の治療法や診断法の効果がどのくらいあるかを示す証拠である。特定の要因と疾患や病態などとの因果関係を支持する知見も含む。再現性のある,質の高い研究に基づくものが,より信頼できるエビデンスである。EBMとエビデンスは同一ではない。

南郷栄秀 (JCHO東京城東病院 総合診療科科長)

PROFILE
某内科サブスペ専門医局に半年在籍後,虎の門病院分院内科総合診療科,東京北医療センター総合診療科の立ち上げを経て,2019年4月から現職で新たな総合診療の拠点づくりに取り組んでいる。日本プライマリ・ケア連合学会理事。日本各地で正しいEBMの普及活動や診療ガイドラインの作成支援を行っている。

POLICY・座右の銘
正しいことを正しく行う/翔ばない医者はただの医者


1 EBMとは

EBMはEvidence-Based Medicineの略で,「根拠に基づいた医療」と訳される。診療現場で決断が求められた際,個々の臨床専門知識を外部の最良のエビデンスと統合して,問題解決をするもの1)である。次の5つのstepに沿って,目の前の患者の問題を解決していく。診療現場で日々生じる疑問がEBMの出発点となる。

1. 問題の定式化
2. 問題についての情報収集
3. 情報の批判的吟味
4. 情報の患者への適用
5. 1~4のstepの振り返り

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