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喉頭肉芽腫[私の治療]

No.4977 (2019年09月14日発行) P.63

塩谷彰浩 (防衛医科大学校耳鼻咽喉科学講座教授)

登録日: 2019-09-16

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  • 喉頭肉芽腫は,声門後方の披裂軟骨声帯突起部や軟骨部に生じる非特異的腫瘤性病変であり,声帯後部の披裂軟骨声帯突起部付近の粘膜に生じた損傷に反復する刺激が加わり,肉芽が形成されると考えられている。気管挿管による粘膜の損傷,胃食道逆流による胃酸の咽喉頭粘膜刺激(咽喉頭酸逆流症),音声の酷使による機械的刺激が肉芽腫形成の主たる要因と言われている。主訴は咽喉頭異常感,発声障害が多く,喉頭内視鏡検査で診断される場合が多いが,無症状のものが上部消化管内視鏡検査時に指摘される場合もある。

    ▶診断のポイント

    喉頭内視鏡検査により,声門後方の特徴的な表面平滑な肉芽腫様腫瘤を確認することで,容易に診断できる。悪性腫瘍とは外観も異なるため,生検を要することは少ない。要因に応じた治療を行うために,音声酷使の有無,気管挿管の既往,胃食道逆流の症状の有無や治療の既往についての問診も欠かせない。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    要因に応じた治療を行う。また,複数の治療を組み合わせて行うこともある。要因に応じた治療を行っても,即効性のあるものではなく,治癒までに数カ月を要することも多く,場合によっては1年以上かかることもある。逆に,良性の疾患で生命を脅かすことはなく,自然消失の可能性もあることから,無症状あるいは症状が軽微であれば,無治療で経過観察のみ行ってもよい。薬物治療も漫然と継続するのではなく,効果がないようなら経過観察に切り替えることも考慮する。増大傾向がある場合や長期間にわたり改善傾向がない場合は,喉頭肉芽腫ではなく,悪性腫瘍の可能性もあるので,生検または手術を施行して組織診を行う。手術による切除は再発率が高く,気道狭窄をきたしている場合や音声障害をすぐに解決したい場合以外は行わない。

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