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頭頸部癌患者を取り巻く最近の話題,代替発声法などについて

No.4975 (2019年08月31日発行) P.49

黒瀬 誠 (札幌医科大学耳鼻咽喉科講師)

福島啓文 (がん研有明病院頭頸科医長)

登録日: 2019-08-28

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  • 頭頸部癌患者を取り巻く最近の話題,代替発声法などについて,がん研有明病院・福島啓文先生にご教示を頂きたくお願いします。

    【質問者】

    黒瀬 誠 札幌医科大学耳鼻咽喉科講師


    【回答】

    【代替発声法には大きくわけて3つの方法がある。最近はプロヴォックスTMによるシャント発声が増えている】

    喉頭摘出後の代替発声法には大きくわけてシャント発声,食道発声,電気喉頭があります。

    その中で,最も声の質が良いのはボイスプロステーシス(プロヴォックスTM)を用いたシャント発声です。シャント発声では,プロヴォックスTMというシリコン製の一方弁のついた器具を気管と食道の間に埋め込みます。この一方弁は気管側から空気は通すのですが,食道側から食物が気管側へ行かない構造になっています。そして声を出すためには,吐く息のタイミングに合わせて気管孔を密閉する必要があります。気管孔を密閉することで吐かれた息がプロヴォックスTMの一方弁を通して食道側に流れていき,食道の粘膜が振動し声になります。また,吐く息の強さで声の音量を調節することができます。このように呼気を利用するため,喉頭発声に近く,強弱もつけられることから自然で流暢な音声となります。さらに,シャント発声は,遊離空腸再建症例にも行うことができます。遊離空腸再建症例は食道発声の獲得率が低いため,筆談でコミュニケーションを行う患者が多いのが現状です。しかし,シャント発声での音声獲得率は高く,合併症も少ないことから遊離空腸再建症例についても良い適応と考えています1)

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