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アトピー性皮膚炎[私の治療]

No.4964 (2019年06月15日発行) P.45

乃村俊史 (北海道大学病院皮膚科講師)

登録日: 2019-06-15

最終更新日: 2019-07-09

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  • アトピー性皮膚炎は,増悪と軽快を繰り返す湿疹性病変を特徴とする慢性皮膚疾患であり,先進国では学童の約10〜20%が罹患する。成長とともに自然寛解することが多いが,成人期まで持続する症例や,一度寛解した後に再燃する症例もあり,乳幼児から成人まで幅広い年齢層に認められる。病態には,皮膚バリア機能の低下や皮膚細菌叢の異常,発汗異常,Th2型優位の免疫応答などが関与し,喘息や鼻炎,食物アレルギーなどのアトピー疾患を合併しやすい。

    ▶診断のポイント

    確定診断には,①個々の皮疹が湿疹であること,②慢性・再発性の経過をたどること(乳児期では2カ月以上,それ以降では6カ月以上),③患者の多くはアトピー素因(アトピー疾患の既往歴または家族歴,IgE高値)を持つこと,の3点が特に重要である。急性期には紅斑や漿液性丘疹,慢性期には苔癬化や痒疹,炎症後色素沈着を認め,搔破痕を伴う。これらの皮疹は,年齢により好発部位が異なるものの,全身,特に顔面や頸部,体幹,四肢関節部,手に左右対称性に認めやすく,重症例では紅皮症を呈する。多くの場合,ドライスキンを伴う。患者の一部に認められる掌紋増強は,先天性の皮膚バリア機能障害(尋常性魚鱗癬)の存在を反映している。そのほか,眉毛外側1/3の脱毛や下眼瞼に目立つ皺,耳切れ,色素沈着や色素脱失を混じる口唇炎,頸部の炎症後色素沈着,躯幹の鳥肌様皮膚,四肢関節屈曲部の苔癬化といった所見は,本症を示唆する。

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