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CE-ChirpⓇ音を用いた新しい聴性定常反応検査(ASSR)

No.4954 (2019年04月06日発行) P.49

伊藤 吏 (山形大学耳鼻咽喉・頭頸部外科准教授)

登録日: 2019-04-09

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【従来のASSRに比較して短時間で小児難聴の評価が可能】

先天性難聴は,早期から補聴器や人工内耳などの医学的介入を行うことで,重度難聴でも健聴者に近い言語発達が期待できることから,難聴の早期発見・早期介入を目的とした新生児聴覚スクリーニングが広く行われている。スクリーニング後の他覚的精密聴力検査として,聴性定常反応(auditory steady-state response:ASSR)は聴性脳幹反応(auditory brainstem response:ABR)とともに有用な検査である。クリック音刺激を用いるABRに対し,ASSRではABRよりも周波数特異性の高い刺激音を用いることで周波数ごとの聴力推定が可能であり,乳幼児の聴力評価や補聴器フィッティングにおいて有用性が高い。

ASSRにおいては,これまでAM変調音やFM変調音などを用いた検査機器が普及していたが,これらは検査に長時間を要するという問題があった。小児のASSRは鎮静が必要であり,検査時間が長いと途中で覚醒してしまって検査を完遂できない場合もあった。これに対しCE-Chirp音は,音が蝸牛基底板を伝搬する際に各周波数帯域が時間差で興奮する現象,いわゆる“cochlear delay”を補正して蝸牛全体を同時に興奮させ,より大きな反応電位を得ようとする刺激音である。CE-Chirp音を用いたEclipse(Interacoustics社)によるASSRでは,従来の半分以下の検査時間で聴力の評価が可能であり1),患児や保護者の負担も大幅に軽減することができる。

【文献】

1) Rodrigues GR, et al:Int J Pediatr Otorhinolaryngol. 2014;78(2):238-43.

【解説】

伊藤 吏 山形大学耳鼻咽喉・頭頸部外科准教授

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