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【人】辻井博彦さん「希少がん以外への適用拡大が今後の課題です」

No.4797 (2016年04月02日発行) P.18

辻井博彦 ((独)放射線医学総合研究所フェロー)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-01-26

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  • 辻井博彦さん(Tsujii Hirohiko)

    (独)放射線医学総合研究所フェロー

    1943年北海道生まれ。68年北大卒。74年同大医学部放射線科、米国・ニューメキシコ大などでパイ中間子治療プロジェクトに参加。84年北大助教授、89年筑波大臨床医学系教授、94年放医研重粒子医科学センター病院長。2003年放医研理事などを経て、12年より現職

    「希少がん以外への適用拡大が今後の課題です」

    2016年度診療報酬改定で一部が保険収載されることとなった粒子線治療。中でもヘリウムイオン線より重い粒子線(重イオン線)を活用した重粒子線治療は、従来の放射線治療に抵抗性を示すがんに対しても有効であるとして、近年注目が高まっている。辻井さんは、世界に先駆けて1994年に重粒子線治療の実運用に成功した放射線医学総合研究所(放医研)で重粒子医科学センター長、同病院長を務めるなど、この分野における世界的権威の1人だ。

    「保険収載という形で治療の効果が認められ、念願がようやく叶いました」

    今回収載された「切除非適応の骨軟部腫瘍」は加算を含むと23万7500点と高額だ。しかし、重粒子線は線量集中性が高くがん病巣の形や深さに合わせて照射できるため、周辺の正常組織の損傷を軽減できるメリットがある。

    「医療保険財政への影響は大きいですが、今回の収載で扉は開かれました。頭頸部がんや大きな肝がん、手術が難しい肺がんなど、希少がん以外への適用拡大が今後の課題です」

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