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【人】土岐髙久さん「負けていられないと思いました」

No.4777 (2015年11月14日発行) P.16

土岐髙久 (福島県楢葉町で診療再開した開業医)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-02-09

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  • 土岐髙久さん(Toki Takahisa)

    福島県楢葉町で診療再開した開業医

    1953年福島県いわき市生まれ。79年福島県立医科大卒。83年同大学院修了。2002年ときクリニック開設(双葉郡広野町)、04年クリニックを楢葉町に移設。標榜科は内科・小児科・循環器内科など。

    「負けていられないと思いました」

    東京電力福島第一原発事故に伴う避難指示が9月に解除された福島県双葉郡楢葉町で、院長を務める「ときクリニック」の診療を再開した。現在、同町で唯一の医療機関だ。

    現在の住民の帰還率は震災前の約4.8%(約350人)だが、「夜、妻と車で町を走ると、家の灯りが徐々に増えていて、それを見ると安心します」。保険診療のほか、原発・除染作業員の健診業務も担い、作業員の健康を守る。

    診療再開に向けて国家資格の「第3種放射線取扱主任者」を取得した。土岐さんは残存放射性物質への対応を国に求めているが、「住民が不安を払拭するための努力を国は怠っている」と感じる。特に水道水の安全性には懐疑的。しかし帰還に向け「不安は許容範囲」と判断した。「町の将来は予測できませんが、今は自分ができることをやるだけです」

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