株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

NAFLDと遺伝子多型

No.4930 (2018年10月20日発行) P.52

渡邊丈久 (熊本大学消化器内科)

佐々木 裕 (熊本大学消化器内科教授)

登録日: 2018-10-17

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

【酒に弱い人は脂肪肝になりやすい】

非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)は,主に肥満,メタボリックシンドロームを背景として,肝臓に脂肪沈着を生じて発生し,重症化すると非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis:NASH),肝硬変を経て肝細胞癌の原因となりうる注意すべき病態である。

一方,遺伝子多型とは,様々な疾患への罹患しやすさなど「遺伝する個性」であり,近年の急速な技術の進歩により,NAFLDを含め多くの疾患について関連する遺伝子多型が報告されている。最近,アルコールの代謝に関わるアルデヒド脱水素酵素2(aldehyde dehydrogenase 2:ALDH2)の遺伝子多型が,アルコール性脂肪肝のみならず,NAFLDの発症にも関与することが報告された1)。ALDH2の低活性遺伝子型の人は,酒を飲むと赤くなる,いわゆるフラッシャーであり日本人に多く,日本人NAFLD患者の網羅的遺伝子関連解析(genome wide association study:GWAS)で抽出されたPNPLA3同様,わが国における重要な遺伝子多型と考えられる2)

酒に弱いNAFLD患者は,より厳格な生活習慣等の改善が必要と考えられる。

【文献】

1) Oniki K, et al:Nutr Diabetes. 2016;6:e210.

2) Kawaguchi T, et al:PLoS One. 2012;7(6):e38322.

【解説】

渡邊丈久,佐々木 裕 熊本大学消化器内科 *教授

関連記事・論文

関連書籍

関連物件情報

もっと見る

page top