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嚥下障害治療における手術加療

No.4927 (2018年09月29日発行) P.54

津田潤子 (山口大学耳鼻咽喉科)

山下裕司 (山口大学耳鼻咽喉科教授)

登録日: 2018-09-30

最終更新日: 2018-09-25

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【嚥下障害に対する手術加療は,近年術式の工夫により改良され,さらに低侵襲な方法も多く報告され,適切な方法を選択すればQOL向上にきわめて有効な方法である】

嚥下性肺炎が主要な死因のひとつである超高齢社会の現在,嚥下障害治療は食べる楽しみというQOLの維持,健康寿命を延伸させる点から重要である。嚥下障害治療の主体は嚥下リハビリテーションであるが,数カ月以上行っても改善が乏しく,長期にわたり経口摂取を禁止せざるをえない例がある。手術加療は適切な方法を選択すれば,QOLを飛躍的に向上させるきわめて有効な手段である。最近では術式も改良が加えられ,より低侵襲へと変更がなされている。

手術方法は,喉頭の発声・呼吸機能を残す「嚥下機能改善手術」と,喉頭機能を犠牲にして気道と食道を遮断・分離する「誤嚥防止術」にわけられる。前者の代表的術式である輪状咽頭筋切断術は,食道入口部を弛緩させて食塊の流入を容易にする方法で,従来は外切開で行っていたが,これを内視鏡下で行う経口的輪状咽頭筋切除術が報告され,注目されている。後者では喉頭摘出術が広く行われていたが,2000年以降操作範囲を縮小させた複数の喉頭閉鎖術が報告され,多くの施設で行われている。鹿野ら1)の報告した輪状軟骨鉗除を併用した声門閉鎖術は,全身状態が不良であっても局所麻酔で施行可能な低侵襲な術式である。輪状軟骨を鉗除することにより気管カニューレ留置が不要になり,誤嚥によるリスクから解放され,さらに経口摂取の可能性も考慮した術式である。

【文献】

1) 鹿野真人, 他:喉頭. 2008;20(1):5-12.

【解説】

津田潤子,山下裕司 山口大学耳鼻咽喉科 *教授

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