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抗リン脂質抗体陽性妊婦の管理【既往,現症は患者ごとに異なるため,それぞれに合わせた対処が必要】

No.4911 (2018年06月09日発行) P.58

齋藤 滋 (富山大学附属病院産科婦人科教授)

山田秀人 (神戸大学医学研究科産科婦人科学教授)

登録日: 2018-06-07

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  • 抗リン脂質抗体は複数あり,流・死産や妊娠高血圧症候群のリスクとなりますが,どのようにスクリーニングして,どのように対処すればよいかについて神戸大学・山田秀人先生にご解説をお願いいたします。

    【質問者】

    齋藤 滋 富山大学附属病院産科婦人科教授


    【回答】

    抗リン脂質抗体症候群(anti-phospholipid syndrome:APS)の改訂分類基準(2006年)では,「ループスアンチコアグラント(LA),抗カルジオリピン(aCL)IgG/IgM,β2GPI依存性抗カルジオリピン(aCLβ2GPI)IgG/IgMの抗リン脂質抗体(aPL)が,12週空けて2回以上陽性」が検査基準となっています。臨床所見は,血栓症と産科異常症として妊娠10週以降の胎児死亡,妊娠高血圧症候群や胎盤機能不全による早産,ないし10週以前の3回以上の習慣流産です。したがって,aPLを測定すべき対象は,10週以降の胎児死亡や2回以上の自然流産,ないし血栓症・妊娠高血圧症候群・胎児発育不全の既往か現症のある女性です。このほか,HELLP症候群,常位胎盤早期剝離,血小板減少の既往か現症,膠原病や梅毒血清反応の生物学的偽陽性の場合もaPL測定が推奨されます。しかし,不妊症やAPS家族歴だけでは測定は推奨されません。2回以上の生化学的流産や着床不全では,研究目的で同意を得て測定してもよいでしょう。

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