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無料立ち読み フルカラーでやさしくわかる! テーピングの基本 2章:各論 ②肘のテーピング 3 尺側側副靱帯損傷・上腕骨内側上顆骨軟骨症・離断性骨軟骨症

無料立ち読み フルカラーでやさしくわかる! テーピングの基本 2章:各論 ②肘のテーピング 3 尺側側副靱帯損傷・上腕骨内側上顆骨軟骨症・離断性骨軟骨症

はじめに

オーバーヘッドスポーツなどで,外反力により肘内側に牽引性ストレスが加わり,肘内側の障害が生じる。野球ややり投げなど投げる動作を伴う競技でよくみられる。
成人では尺側側副靱帯損傷を生じやすいが,成長期の小児では内側上顆の骨化が不完全なために同部が構造上もろく,上腕骨内側上顆下極の分節化(上腕骨内側上顆骨軟骨症)を生じる(図1)。

尺側側副靱帯損傷は1回の強大な外力により外傷性に生じることもあるが,反復する動作によるオーバーユース障害として発生することもある。
肘の内側障害のために外反不安定性が生じるようになると,肘外側の腕頭関節に圧迫力・剪断力が生じ,上腕骨小頭に離断性骨軟骨症を生じる(図2)。

症状

▶ 肘内側障害(尺側側副靱帯損傷・上腕骨内側上顆骨軟骨症)

・肘内側痛
・投球動作の中でもボールリリース前の加速期に疼痛が強い
・尺骨神経脱臼などの尺骨神経障害を合併すると,小指と環指尺側にしびれや知覚低下

▶ 肘外側障害(離断性骨軟骨症)

・上腕骨小頭の圧痛(深屈曲にて触知)
・関節腫脹(soft spotの腫脹など)
・肘関節可動域制限(特に伸展)
・キャッチング(引っかかり感)

発生原因

▶ 肘内側障害(尺側側副靱帯損傷・上腕骨内側上顆骨軟骨症)

・投動作の反復によって肘内側に牽引性のストレスが加わることで生じる
・特に肘が下がる,体が早く的の方向へ向いてしまうことで手投げになる,などの原因があることが多い
・一度の強大な力によって外傷性に生じることも,反復する外反力によりオーバーユース的に生じることもある

▶ 肘外側障害(離断性骨軟骨症)

・成長期に肘内側の障害のために外反不安定性が生じると,外側の腕頭関節に圧迫力が加わり,生じる(図3
・血流障害が原因とする説もある

テーピングの目的

投球動作の後期コッキング期から加速期において,肩関節外旋から内旋運動への切り返しに伴って肘関節内側に加わる牽引力および肘関節外側の圧迫力を低減することが主な目的となる。また,過剰な前腕回外運動を制限することも有効な場合がある。

効用

①投球動作の肩関節最大外旋時に生じる肘の不安感の軽減
②症状の悪化を防ぐ

ターゲット

・肘関節尺側側副靱帯
・前腕回内筋群

尺側側副靱帯損傷・上腕骨内側上顆骨軟骨症・離断性骨軟骨症に対するテーピング

 動画1

 スタート姿勢  坐位もしくは立位

テーピングの方法 step by step

〈使用するテープ〉
•キネシオロジーテープ 50mm幅
─15〜20cm程度の長さにカットしたもの 3〜6本
─45〜50cm程度の長さにカットしたもの 1本
─前腕周径および上腕周径の長さにカットしたもの 各1本


テーピングのコツpearlsと注意点pitfalls
•すべてのサポートテープは上腕骨内側上顆・尺側側副靱帯上で交差させる。
•前腕回外を制限するサポートテープが,過剰な回内運動を誘導しないように注意する。
•投球動作での肩関節最大外旋位をとらせて,肘関節内側が十分にサポートされているかを確認する。
•肘外反の制動を高めるためには,肘関節内側サポート(蝶形サポート)に非伸縮性リジッドテープを使用してもよい。
•前腕近位部への圧迫は,血流制限による疲労が生じやすくなるため,強すぎないようにする。

越田専太郎,大内 洋


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