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無料立ち読み フルカラーでやさしくわかる! テーピングの基本 2章:各論 ②肘のテーピング 1 外側上顆炎(テニス肘)

無料立ち読み フルカラーでやさしくわかる! テーピングの基本 2章:各論 ②肘のテーピング 1 外側上顆炎(テニス肘)

はじめに

外側上顆炎(テニス肘)は手関節や前腕における反復動作が原因で手関節や手指の伸筋,そしてその腱に疼痛を生じる疾患である。物を強く握った状態で作業を続けることで生じやすいため,テニス選手がラケットを握る場合に限らず,様々な家事や肉体労働でも生じうる。外側上顆炎では多くの場合,短橈側手根伸筋が上腕骨外側上顆に付着する部位で疼痛が強く(図1),また同部よりやや遠位の同筋腱性部に生じることもある。治療は消炎鎮痛剤の内服や外側上顆へのステロイド注射,PRP注射,さらに手関節伸筋腱のストレッチや,力んで手先に力が入りすぎないように体幹強化,肩甲帯の固定など運動療法を行うことも多い。
 テニス,バドミントン,卓球,ゴルフ,剣道のなど競技でよくみられる。

症状

外側上顆炎の疼痛は外側上顆を中心に生じ,より遠位で疼痛が生じることもある。疼痛やそれに伴う筋力低下で,握手をする,物を握る,ドアノブを回す,ペットボトルの蓋をあける,歯ブラシやマグカップを持つ,といった動作が困難になりやすい。

発生原因

外側上顆炎は手関節背屈筋のオーバーユースに伴って同筋腱の外側上顆への付着部で炎症を生じたり,腱の微細な損傷が起きることで発症するとされている。テニス肘という別名の通り,テニスで生じることもある。この場合はレベルの高い選手が繰り返しバックハンドを強い力で打つことで,また技術的に未熟な選手がバックハンドを打つ際に手関節がボールの勢いに負けて掌屈してしまうことで生じやすいとされる。テニス以外にも,ドライバーやハンマーなど工具を使う,パソコンのマウスを使う,雑巾を絞る,剪定ばさみや苅込ばさみを使う,といった動作で生じうる。

テーピングの目的

短橈側手根伸筋をはじめとする手関節伸筋群の遠心性収縮をサポートし,付着部へ加わる牽引力を減らすのが主な目的となる(図2)。

効用

①肘の外側(上腕骨外側上顆)の圧痛軽減
②肘の外側の運動時痛の軽減

ターゲット

•前腕の手関節伸筋群 (長橈側手根伸筋・短橈側手根伸筋・総指伸筋)のサポート
•主に短橈側手根伸筋のサポートし,疼痛がひどい場合は,前腕伸筋群全体をサポートするようにする

外側上顆炎(テニス肘)に対するテーピング

 動画1

 スタート姿勢  坐位もしくは立位

テーピングの方法 step by step

〈使用するテープ〉
•キネシオロジーテープ 50mm幅
─前腕の長さにカットしたもの 3本
─手首1周の長さにカットしたもの 1本
─前腕の疼痛部位で1周の長さにカットしたもの 1本


ポイント
•慢性状態に対しては,前腕伸筋群サポートを近位(起始部)から遠位(停止部)に向かって軽くテンションをかけながら貼ることで筋の収縮をサポートするが,急性炎症に対しては,遠位(停止部)から近位(起始部)に向かってテンションをかけずに貼ることでリンパ液の流れを促す方法が適切である。

テーピングのコツpearlsと注意点pitfalls
手関節を軽度掌屈位(屈曲位)にして貼ること。
貼る方向は,慢性期は近位から遠位方向へ,急性期は遠位から近位方向へ。
外側上顆を通ること。
テープを引っ張りすぎないこと。テープの張力は10~25%程度にする。
アンカーを締め付けすぎないこと。
テープを皮膚になじませる。
テープがはがれないように角を丸くそろえること。

大澤有美子,宮本瑠美,大内 洋


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