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認知症の画像評価における数値化データ解釈上の注意点【撮像条件,関心領域の位置により数値が変動する等の注意点を押さえた上で活用する】

登録日: 2018.01.31 最終更新日: 2025.09.20

小栗卓也 (公立陶生病院神経内科部長) 櫻井圭太 (東京都健康長寿医療センター放射線診断科医長)

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認知症の病型診断では,画像評価の際,Voxel-based Specific Regional analysis system for Alzheimer’s Disease(VSRAD®)など統計解析処理で数値化したデータを参考にすることが日常的に行われています。このようなデータを解釈する上での注意点について,東京都健康長寿医療センター・櫻井圭太先生にご解説をお願いします。

【質問者】

小栗卓也 公立陶生病院神経内科部長


【回答】

海馬傍回の萎縮や後部帯状回の血流低下など視覚的な評価が必ずしも容易でない画像診断の補助に様々な画像解析手法が行われています。特定の解剖学的部位を測定する関心領域法と全脳の自動的な解析を行う画像統計解析法が代表的な方法です。関心領域法が最も用いられているのはレビー小体型認知症における123I-MIBG心筋シンチグラフィの心縦隔比の測定です。一方,画像統計解析は脳容積や脳血流の評価に欠かすことができず,VSRAD®,easy Z-score Imaging System(eZIS®),three-dimensional stereotactic surface projection(3D-SSP,脳統計解析パッケージ:AZE VirtualPlace隼®)が日常臨床において広く使用されています。これらの解析法は異常の程度を数値化することにより,客観的な評価を可能とするため,診断に好んで用いられていますが,いくつかの注意点があります。


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