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血管内皮細胞のグリコカリックスとは?【血管内皮細胞の表面を覆う糖蛋白質であり,間質腔への玄関口である】

登録日: 2017.12.11 最終更新日: 2025.09.20

松﨑 孝 (岡山大学病院集中治療部) 森松博史 (岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 生体制御科学専攻生体機能制御学講座 麻酔・蘇生学分野教授)

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No.4845(2017年3月4日),61ページ,「差分解説」の「術中輸液管理」にある「血管内皮細胞に存在するグリコカリックス」とはどのようなものなのか教えて下さい。

(東京都 F)


【回答】

グリコカリックスは,血管内皮細胞の表面を覆う糖蛋白質であり,間質腔への玄関口です。この構造は不安定ですが,膜結合性のプロテオグリカンやグリコサミノグリカンといった糖蛋白質から構成され,厚さは数十nmです(図1)。



血管内表面に突出したグリコカリックスは,アルブミンや細胞接着因子,トロンボモジュリンのような蛋白と結合し,シェアストレスのシグナル伝達経路の一部としての働きや,細菌やバクテリアに対する防御壁としての役割を果たし,酵素の局所濃度調節,血栓形成の抑制をすることが知られています。


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