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抗うつ薬服用中の日中の眠気にどう対応するか?【服用時間・用量の調節や抗うつ薬の種類の変更(他種,および同種内)を試みる】

登録日: 2017.11.25 最終更新日: 2025.09.20

吉村玲児 (産業医科大学医学部精神医学教授)

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抗うつ薬を服用中,副作用と思われる日中の眠気がみられます。投与量を減らすべきか,昼間寝ないよう工夫すべきか,ご教示頂ければ幸いです。

(広島県 K)


【回答】

選択的セロトニン再取り込み阻害薬(selective serotonin reuptake inhibitor:SSRI)やセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(serotonin and norepinephrine reuptake inhibitor:SNRI)は,三環系・四環系抗うつ薬と比べ,日中の眠気の出現は少ないようです。臨床経験としては,SSRIのほうがSNRIよりも日中の眠気を若干生じやすい印象があります。しかし,両薬剤とも主な標的とされる部位(トランスポーター)以外の部位(受容体)にも作用するために眠気が生じる可能性はあります。SSRI,SNRIともに血中半減期が長いので,原則1日1回の投与ですみます。したがって,以下の対応が考えられるでしょう。

①服薬時間を変えてみましょう。朝食後に服用している場合には,夕食後,あるいは寝る前の服用へと変更して下さい。睡眠薬を服用する必要がなくなる場合もあります。

②投与量を漸減しましょう。眠気の発現は一般的には投与量依存的と考えられるため,減量することで改善が期待できます。


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