本来,肘をつく部位は痛みに鈍いはずですが,その部位に強く打撲を受けた(皮下出血等はない)2週間ほど後,その部位に圧力を受けると飛び上がるほどの痛みを訴える患者がいます。診断・治療法をご教示下さい。
(質問者:埼玉県 I)
【回答】
診断として肘頭滑液包炎を疑います。肘をつく部位は解剖学的には尺骨肘頭です。肘頭の骨と皮膚の間には薄い結合組織からなる袋状の組織,滑液包が存在します(図1)。内壁は滑膜で覆われ,正常ではごく少量の滑液が存在し,皮膚と骨との間の摩擦軽減の役割があるとされます。
登録日: 2017.03.02 最終更新日: 2025.09.20