膠原病編⑤ 日本プライマリ・ケア連合学会監修
本連載では,日本プライマリ・ケア連合学会/全日本病院協会が実施している「総合医育成プログラム」の中から,選りすぐりのクリニカルパールを紹介します。
◆ 巨細胞性動脈炎(GCA)疑いは24時間以内に紹介し,強く疑う場合は検査結果を待たずにプレドニゾロンを開始する。
◆ 新規PMRはプレドニゾロン15~25mg/日で開始。1~2カ月以内に10mg/日まで減量し,1年以内の終了をめざす。
◆ 再燃は症状・身体所見・炎症反応で評価し,必要に応じて画像検査を行う。
◆ 再燃・難治例やステロイド有害事象リスクの高い例では,対象を選んでメトトレキサート/IL~6受容体阻害薬などの免疫抑制薬を検討する。
PMRらしい。でも,すぐにステロイド?
74歳,女性。3週間前から両肩・大腿部痛と朝のこわばりが出現。CRP 7.2mg/dL,ESR 68mm/時で,RF・ACPA(リウマチ因子・抗シトルリン化ペプチド抗体)は陰性であった。頭痛,顎跛行,視覚異常はなく,リウマチ性多発筋痛症(polymyalgia rheumatica:PMR)を疑った。糖尿病と骨粗鬆症があり,治療方針に迷った。
2026年,欧州リウマチ学会(EULAR)から,PMRと原発性大型血管炎の管理に関する推奨(2025年版)が公表された1)。本稿では,PMRの初期対応,治療,再燃評価,専門医への紹介の要点を解説する。
Question 1:PMRを疑ったら,すぐにステロイドを開始してよい?
診断確認前の「診断的ステロイド投与」は避ける。PMRに単独の確定検査はなく,症状・身体所見と類似疾患の除外から診断する。分類基準を診断基準として使ってはならない。recommendation Bにも “classification criteria should not be used for diagnosis”と記載がある。PMRは通常,緊急疾患ではなく,多くは診断確定まで治療を待てるが,症状に応じて適時開始する。ただし,診断困難例は,適切な専門医へ紹介する。