
8年前より,悪心と光過敏を伴う両側の側頭部・後頭部の痛みを繰り返し感じるようになった。うつ伏せで叫び声を上げる頭痛時の様子(図1)を家族は“発狂”と呼んでいた。5〜20分持続する頭痛が約2時間おきに1日10〜12回反復し,夜間も頭痛のため2回ほど覚醒する。こうした頭痛が集中して起こる期間と,無症状の期間とを交互に繰り返している。
当初,有症期は3〜7日,無症期は約3カ月であったが,1年半前からは有症期が最長3カ月まで延長し,無症期は2週間程度に短縮している。有症期は学校を欠席するという。頭痛に随伴する前兆や鼻汁,鼻閉,音過敏,臭覚過敏は認めない。
これまでβ遮断薬,抗てんかん薬,抗うつ薬,抗CGRPモノクローナル抗体,トリプタン製剤,酸素吸入が試みられたが,いずれも有効でなく,精査目的で当科紹介となった。既往歴,家族歴に特記事項はない。
診察中に頭痛発作を起こし,脈拍数120回/分,血圧135/99mmHgであった。両眼に涙を溜めながら,「なんでこんなことに」「普通に暮らしていただけなのに」などと声を上げた。瞳孔径や顔面の発汗に異常は認めない。

