重篤な肝機能障害で安全性速報(ブルーレター)による注意喚起がなされてきた血管炎治療薬「タブネオスカプセル10mg」(一般名:アバコパン)について、厚生労働省は10月21日、投与中止や代替療法への切替えなどの対応を医療機関に求める通知を全国に送付した。

血管炎治療薬「タブネオスカプセル10mg」
「タブネオス」をめぐっては、2022年6月の販売開始から国内で死亡例を含む重篤な肝機能障害の発現が報告。因果関係を否定できない症例が確認されたため、厚労省は今年5月、製造販売元のキッセイ薬品工業に対しブルーレターによる注意喚起を指示した。
しかし、その後もアバコパンの臨床試験データに関する疑義などが指摘され、欧州は今年8月に承認を取り消し。英国や米国でも承認取消に向けた手続きが進められている。
■「有益性がリスクを上回ると判断することは困難」と結論
キッセイ薬品は7月、厚労省の報告命令に基づく回答書を提出。その内容を医薬品医療機器総合機構(PMDA)で精査した結果、承認審査時の提出資料の信頼性に問題があり得ることが確認され、「タブネオス」による治療上の有益性がリスクを上回ると判断することは困難との結論に至った。
これを受け、厚労省は、10月21日の薬事審議会医薬品第二部会への報告を経て「タブネオス」に関する通知の発出を決めた。
通知では、医療機関に対し①新規患者への投与開始を差し控える、②投与中の患者については、中止または代替治療への切替えを原則として対応を検討する、③代替治療への切替えまでの間、使用を継続する場合はブルーレターを踏まえた適正使用を継続する─などの対応を求めている。