日本ベクトン・ディッキンソンは10月22日、下肢動脈の血栓性病変の治療に用いる血栓除去デバイス「Rotarex(ロータレックス)エンドバスキュラーシステム」が、10月1日に大阪けいさつ病院(大阪市天王寺区)で国内初の臨床使用となったと発表した。同日から保険適用となり、下肢動脈の血栓性病変に対する新たな治療選択肢として期待される。

血栓除去デバイス「Rotarex™エンドバスキュラーシステム」
Rotarexは、カテーテル先端に搭載した回転機構と吸引機構によって、血栓の破砕と除去を同時に行う国内初の一体型デバイス。大腿膝窩動脈の動脈硬化性病変に伴う血栓性病変を対象とし、急性期の柔らかい血栓から器質化が進んだ弾力性のある血栓まで、様々な性状の血栓に対応することが期待されている。
EVTに残された課題への新たな治療選択肢
国内初症例は、大阪けいさつ病院循環器内科の藤原昌彦副部長が実施した。
藤原氏は「ここ20年における日本の血管内治療(EVT)の進歩はきわめて目覚ましく、特に複雑病変へのチャレンジには目を見張るものがある」と評価する一方、大腿膝窩動脈の急性・亜急性血栓性病変については「血管の広範囲にステントを留置せざるを得ない症例が多く、それでもなお遠位塞栓や早期の再閉塞リスクなど、極めて厳しいアンメットニーズが存在していた」と従来治療の課題を指摘した。
こうした中、海外で蓄積された臨床データを活用してRotarexの国内導入が実現した点について、藤原氏は「新たな治療選択肢の日本への導入が可能となったことを意義深く感じている」と述べた。
今後については「実臨床で得られる知見や使用に当たっての工夫を医療従事者間で丁寧に共有し、デバイスの特性を正しく理解しながら、日本のEVTにおける新たな治療手段の1つとして、しっかりと育てていきたい」と期待を寄せた。