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円形脱毛症の新常識:新たな治療選択[〈プライマリ・ケア医が知っておくべき〉クイズで学ぶ 皮膚科診療の“新常識”(27)]

登録日: 2026.10.22 最終更新日: 2026.10.22

下村 裕 (山口大学大学院医学系研究科皮膚科学講座教授/山口大学医学部附属病院皮膚科)

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Q

18歳,女性。3年前に脱毛を生じ,発症4カ月後には全身の毛髪が完全になくなった。近医皮膚科で汎発型円形脱毛症と診断され,ステロイド外用療法などで加療されたが,発毛を認めないため,当院を紹介受診した(図1)。軽症のアトピー性皮膚炎以外に合併症はない。
本患者に対して最も適切な治療法は以下のうちどれか。

①ステロイド局所注射
②ステロイド点滴静注
③紫外線療法
④経口JAK阻害薬投与
⑤局所免疫療法

円形脱毛症の概要

円形脱毛症(alopecia areata:AA)は,後天性脱毛症の代表的な疾患である。毛包は,成長期・退行期・休止期の3つの時期からなる毛周期を営んでおり,成長期の毛包の下端に局在する毛球部で毛髪が盛んに合成される。通常の毛包は,炎症が起きにくい状態を維持している。AAは,この免疫寛容状態が破綻することで,成長期毛包の毛球部が細胞傷害性T細胞をはじめとする炎症細胞によって攻撃・破壊されて脱毛をきたす自己免疫性疾患である。AAの病態には主にTh1細胞が関与しており,インターフェロンγ(IFN-γ)やインターロイキン15(IL-15)などのサイトカインの発現が病変部で亢進している1)。その名の通り貨幣大の円形の脱毛巣を形成することが多いが,一部の患者では,頭部のより広範囲で脱毛する場合や,全身の毛髪がすべてなくなる場合もある。AAでは,2~3カ月の急性期を経た後,徐々に回復期に移行して発毛する順調な経過を示す患者がいる一方で,急性期が終わっても半年以上にわたり発毛を認めない慢性期(固定期)に陥る患者も存在する。

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