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鉄欠乏性貧血[私の治療]

登録日: 2026.10.23 最終更新日: 2026.10.23

川端 浩 (国立病院機構京都医療センター院長)

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体内の貯蔵鉄が枯渇すると,ヘモグロビン合成が滞り,鉄欠乏性貧血を生じる。鉄欠乏の原因としては,閉経前の女性では過多月経が,男性や閉経後の女性では消化管出血(悪性腫瘍,潰瘍,毛細血管拡張症)などによる慢性的な鉄の喪失が多い。他にも,食物からの鉄分の摂取不足,萎縮性胃炎などによる鉄の吸収障害,妊娠・授乳・成長などによる鉄の需要の増大も原因になりうる。

▶診断のポイント

ヘモグロビン値が低いわりに自覚症状が乏しいことが多いが,重症になると労作時の息切れなど心不全症状が現れる。鉄欠乏が長期にわたると,異食症(氷などを無性に食べたくなる症状)や匙状爪がみられることもある。末梢血検査では,小球性〔平均赤血球容積(MCV)<82 fL〕・低色素性〔平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)<30%〕の貧血がみられる。血小板数はしばしば増加する。トランスフェリン飽和度〔血清鉄(Fe)÷総鉄結合能(TIBC)〕は20%を下回る。貧血症状と,血清フェリチン値<12ng/mLで診断できる。


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