上野賢一郎厚労相は10月9日の記者会見で、ダイエット目的で糖尿病治療薬「マンジャロ」の処方を受け、持ち帰る訪日韓国人が増えているとの報道を受け、「帰国後に使用するなどの目的で、医師が外国人旅行者に過剰な期間分の医薬品を処方することは、患者の医療安全の観点からも適切ではない」との見解を示した。
ダイエット目的での利用が広がるGLP-1受容体作動薬(ウゴービ、オゼンピック、リベルサス、トルリシティ)やGIP/GLP-1受容体作動薬(マンジャロ、ゼップバウンド)について、厚労省は「適応外で使用された場合の安全性・有効性は確認されておらず、思わぬ有害事象による健康被害につながるおそれがある」などと繰り返し注意喚起してきた。
■肥満学会も「マンジャロ」などを用いた減量で声明
日本肥満学会も10月3日、GLP-1受容体作動薬やGIP/GLP-1受容体作動薬などのインクレチン関連薬を用いた減量についてステートメントを発表。インクレチン関連薬の不適切な使用に伴うケトーシス、ケトアシドーシスなどのケトーシス関連事象の症例報告が国内外で増加しているとし、「急激な減量や過度の食事制限を実現・維持する手段として、これらの薬剤を用いるべきではない」と医療者・薬剤使用者双方に呼びかけた。
上野厚労相は9日の会見で、「医薬品を外国人旅行者に対して処方する場合、単回の診療では治療経過の情報が限られるので、日本滞在中に必要とする量を処方して、帰国された際に、あらためて当該国のかかりつけ医等の診察を受けてもらうことが適切」として、訪日韓国人などに過剰な期間分の医薬品を処方する行為を問題視。
マンジャロなどの適応外使用のリスクについて「(肥満学会など)関係学会とも連携して、広く国民や医療関係者に周知するなど、必要な対応に引き続き取り組んでいきたい」と述べた。
【関連情報】
安全な減量に関するステートメント─インクレチン関連薬を用いた減量によるケトーシス関連事象の注意喚起(日本肥満学会・10月3日公開)