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カルテの不正閲覧とプライバシー侵害[病院トラブル─事務方の解決法〈season 2〉(32)]

登録日: 2026.10.19 最終更新日: 2026.10.19

大江和郎 (元東京女子医科大学附属成人医学センター事務長)

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たまに,著名人や世間で話題の人などが受診することがあります。どのような病気で来院したのか気になってしまい,つい電子カルテを覗き込みたくなります。担当外のカルテを閲覧するという行為に問題はあるのでしょうか。

事務長の見解

カルテの不正閲覧は訴訟に発展する可能性があること,また就業規則上の違反行為となることを全員に周知すること!

詳しく解説すると……

◆担当外のカルテ閲覧および漏洩に損害賠償

某総合医療センターの女性小児科医師が業務と無関係に患者のカルテを閲覧し,その情報を患者の子どもに提供しました。そのことによりプライバシーを侵害したとして,運営法人と当該医師に計約330万円の慰謝料を求めた訴訟が大阪地裁で行われました。大阪地裁は医師の権限を濫用した情報漏洩によって患者に精神的苦痛を与えたと判断し,運営法人の責任を認めました。一方,カルテの閲覧が1回だったこと,漏洩相手が患者の子どもだったことをふまえて,慰謝料5万円の支払いを命じました(大阪地裁令和4年1月27日判決)。

訴訟には至らないまでも,カルテの不正閲覧が発覚するケースは多々あります。その1つを紹介します。島根県出雲市の住宅で高齢女性2人が孫の男性に襲われ死亡した事件で,搬送された島根大学医学部附属病院で不正閲覧が発覚したとして,病院側は2018年11月13日に記者会見を行いました。会見で病院側は,搬送された日から3日間で約240人の院内職員が不正に電子カルテにアクセスしていたとして,「興味本位の閲覧があった。深くお詫びする」と謝罪しました。

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