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【欧州糖尿病学会(EASD)】2型DM例のMCIは早期なら「寛解」も可能。作用には薬剤差も:中規模RCT"LIGHT-MCI"

登録日: 2026.10.09 最終更新日: 2026.10.09

宇津貴史 (医学レポーター/J-CLEAR会員)

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2型糖尿病(DM)例では認知機能低下が、非DM例に比べ若年から始まる。しかし早期であれば、血糖降下薬使用により認知機能の改善は可能なようだ。さらにその改善作用は血糖降下薬間で異なる可能性がある。中国で実施されたランダム化比較試験(RCT)"LIGHT-MCI"の結果、明らかになった。9月28日からミラノ(イタリア)で開催された欧州糖尿病学会(EASD)にて、南京大学(中国)のZhou Zhang氏が報告した。

LIGHT-MCI試験の対象は、40歳以上で軽度認知障害(MCI)を認める、メトホルミン服用下の2型DM 396例である。平均年齢は61歳、MoCAスコア平均は23だった。これら396例はランダムにGLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)群かSGLT2阻害薬群、DPP-4阻害薬群のいずれかに割り付けられた。GLP-1RAとして用いられたのはリラグルチド、SGLT2阻害薬はエンパグリフロジン、DPP-4阻害薬はリナグリプチンである。観察期間は48週間。1次評価項目は「MCI寛解」とされた[BMJ Open. 2025]。

その結果、48週間後、いずれの群でも一定数で「MCI寛解」が認められた。「2型DM例の認知機能低下は、早期ならば回復可能だ」とZhang氏は考察している。「寛解」率が最も高かったのはGLP-1RA群で50%。次いでSGLT2阻害薬群の29%、DPP-4阻害薬群は21%だった。DPP-4阻害薬と比べた治療必要数(NNT)は、GLP-1RAが「4」、SGLT2阻害薬ならば「13」である。さらにこれら血糖降下薬使用に伴う「MCI寛解」は使用中止の28週間後まで、減弱はするものの維持されていた。

なお薬剤使用中の治療関連有害事象はGLP-1RA群で発生率が38%と、SGLT2阻害薬群(18%)やDPP-4阻害薬群(16%)に比べ高かった(検定なし)。しかし同期間の脱落率は順に8%、5%、6%で、大きな差はなかった。

このようにGLP-1RAによる2型DM例MCI改善作用が示唆されたが、RCT"EVOKE""EVOKE+"との整合性はどうなるのか。同試験においてGLP-1RAはアルツハイマー型の早期認知機能低下を改善できなかった[Alzheimers Res Ther. 2025]。質疑応答でこの点を問われたZhang氏は、それら試験では2型DM例の割合が15%未満だった点を指摘。全例が2型DMだったLIGHT-MCIとは同じ早期MCIでも病態が異なる可能性があるとした。

本試験は研究者主導で実施された。製薬会社からの資金提供は受けていない。


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