社会保障審議会介護保険部会は9月18日、第1号被保険者の保険料負担のあり方や利用者負担が2割となる「一定以上所得」の判断基準見直しなどに関する議論を開始した。年内の意見とりまとめを目指す。
第1号被保険者の保険料は、サービス基盤の整備状況やサービスの利用見込みに応じて、市町村ごとに設定する。現行の第9期(2024〜26年度)の全国平均は月額6225円と、介護保険制度創設時の2911円から大きく上昇している。
前回の制度改正では、第1号被保険者間での所得再分配機能の強化と低所得者の保険料上昇を抑制するため、①保険料の設定段階を9段階から13段階に細分化、②高所得者の標準乗率(保険料算出に用いる乗率)の引上げ、③低所得者の標準乗率の引き下げ─などが実施されたが、今後も高齢化の進展に伴う保険料水準の中長期的な伸びが見込まれる。
また低所得層では、公的年金の支給額引き上げの影響で住民税非課税者から課税者になった場合の保険料の引き上げ幅が大きいことが問題視されている。
このため厚生労働省は、高所得者の標準乗率の見直しと住民税非課税者が課税者となった場合の保険料上昇の緩和を含めた標準段階の見直しを第10期(27〜29年度)に向けた論点に挙げた。
2割負担対象者を拡大する方向での「一定以上所得者」の判断基準見直しでは、「骨太の方針2026」が26年度中に結論を得るとしたことを踏まえ、高齢者が必要なサービスを受けられるように配慮した上で、世代間・世代内双方での公平性、現役世代の負担軽減、負担能力に応じたより公平な負担の観点から検討を進めることを提案。金融所得や金融資産の反映のあり方の検討も求めた。
■2割負担対象者の拡大では賛否分かれる
1号保険料の見直しの方向性についての異論はなかったが、複数の委員が第1号被保険者間の調整だけでの保険料抑制には限界があると指摘し、公費負担割合の見直しの検討を要請した。「一定以上所得者」の判断基準については、「26年度中の期限までに一定以上所得対象者拡大の方向で結論が得られるように進めていただきたい」(岩崎一雄委員・日本経済団体連合会常務理事)という声の一方で、「物価上昇の下での実質的な生活余力を十分確認した上で慎重に判断する必要がある」(瀬口里美委員・全国老人保健施設協会常務理事)との慎重意見もあった。