厚生労働省は9月10日の「令和8年度医師の働き方改革の推進等に関する検討会」に、医師の時間外労働の「短縮目標ライン」の見直しやC水準の適切な運用などに関する論点を提示した。
短縮目標ラインは、連携B・B水準医療機関が医師労働時間短縮計画において時間外・休日労働時間数の目標を設定する際の目安となるもの。連携B・B水準は、時間外・休日労働時間の上限(現行は年1860時間)を段階的に引き下げていき、2035年度末にA水準(年960時間)に統合する方向で解消される。このため現行の短縮目標ラインは、35年度末の解消に向けて3年ごとに目標値を下げていく段階的な設定となっている。
厚労省が検討会に示したデータによると、連携B・B水準医師の時間外・労働時間は全体として縮減傾向がみられるものの、最大時間外・休日労働時間が年960時間を超える医療機関が約8割を占め、年960時間超の医師数は循環器内科、外科(消化器外科含む)、心臓血管外科、救急科で多いことがわかっている。
こうした背景から厚労省は①医師の健康確保や地域医療への影響に配慮しながら、労働時間を着実に縮減できるような目標設定を行う、②国・都道府県において時間外・休日労働時間が多い医療機関や診療科の課題を引き続き分析し、その結果に基づいて実効性のある時短計画の策定・実施を促していく─ことを短縮目標ライン見直しの論点として提示した。
構成員からは、地域の医療提供体制に影響が出ることのないよう、過度に時短を促す目標設定は避けるべきだとの意見や、診療報酬の「地域医療体制確保加算」の施設基準における時間外・休日労働の上限時間が1つの目安になるのではないかといった指摘があった。
■C‒1水準は終業後の院内滞在を過度に制限する趣旨でないことなどを周知へ
C‒1水準については、臨床研修医の6割以上が興味に応じて院内に残って修練を積みたいと考えているにも関わらず、施設側が時間外・休日労働時間の規制によらず、帰宅させる方針を採っている場合があることが明らかになった。対応策として厚労省は、当直等も含めて修練に励む時間を確保する必要がある場合には、研修医の就業終了時刻後の院内滞在を一律に禁止するなどの過剰な制限を求めるものでないことを医療機関に周知することを提案した。