膠原病編③ 日本プライマリ・ケア連合学会監修
本連載では,日本プライマリ・ケア連合学会/全日本病院協会が実施している「総合医育成プログラム」の中から,選りすぐりのクリニカルパールを紹介します。
◆ 抗体価だけでなく,HEp-2細胞のどこが染まっているかを確認する!
◆ 健常者でもANAは10~25%程度陽性となるため,むやみに測定しない!
◆ 骨・関節症状や結合組織障害を示唆する症状があるときに測定する!
はじめに:その抗核抗体(ANA),本当に必要なのか?
20歳代,女性。1カ月前から38℃台の発熱が続き,「階段を上るとだるい」「10カ月の子どもを抱くのもつらい」と訴えていた。CK 10000U/L台を指摘され,紹介受診となった。抗核抗体(antinuclear antibody:ANA)は40倍,speckled型40倍,cytoplasmic型80倍であった。しかし,「40倍は陽性なのか?」「染色パターンは何を意味するのか?」と,結果の解釈に迷うことがある。
ANAは膠原病診療で頻繁に測定される一方,測定対象や結果の解釈を誤ると,臨床的意義のない陽性所見に振り回される。本稿では,ANAの読み方を5つのQ&Aで整理する。
Question 1:ANAはどのように発見されたのか?
ANAの歴史は1940年代のLE細胞の発見に始まる。Hargravesらは全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)患者でLE細胞を報告した1)。蛍光抗体法2),ENA抗体の同定3)を経て,現在はHEp-2細胞を用いた間接蛍光抗体法が広く用いられている4)。
現在のANA検査では,抗体価と染色パターンを評価する。すなわち,単一の抗体を測定するのではなく,多数の自己抗体によって生じる染色像を包括的に評価する検査である4)。