厚生労働省は9月3日の社会保障審議会医療保険部会に、OTC類似薬の保険給付の実施に向けた論点整理を提示した。部会での議論や患者団体のヒアリング結果などを踏まえ、追加負担の対象外となる長期使用の取り扱いをより明確化することなどを打ち出した。
関係検討会の中間とりまとめは内服のOTC類似薬の長期使用について、「1年という単位の中で、医師が年間を通じた症状の持続と治療の継続性を確認し、対象医薬品の長期使用等(年間処方日数がおおむね50週)が医療上必要である場合」は追加負担対象外と整理したが、部会の議論や患者団体のヒアリングでは医師や医療機関によって判断がばらつくことを懸念する意見が目立った。一方、アトピー性皮膚炎への外用薬の長期使用では、エビデンスのあるヘパリン類似物質と尿素のみが追加負担対象外とされたが、患者団体から見直しの要請があった。
このため論点で厚労省は①内服薬の長期使用については、50週の確認の現場負担、がん治療後の後遺症に対する薬物療法、周期的・反復的な処方等に関する意見を踏まえ、具体的な適用例を明確化する、②ステロイド外用薬は急性増悪時の短期使用が中心だが、アトピー性皮膚炎に対するステロイド外用薬のプロアクティブ療法は診療ガイドラインに位置づけられた計画的な間欠使用であるため、長期使用等の例外として整理する(例外的に長期使用等のルールを適用して追加負担対象外とする)─ことなどを提案。
さらに検討の際には、医療機関・薬局における確認・判断が過度に複雑にならないことや医師や医療機関による判断のばらつきを抑え、患者にとって負担の納得感が得られるようにすることなどに留意するよう求めた。
■低所得者の範囲拡大では賛否分かれる
こうした方向性への反対はなかったが、医療機関関係者からは改めて現場の混乱や負担を心配する声が上がった。城守国斗委員(日本医師会副会長)は、できるだけ早期に一定数の医療機関で試験運用を行い、本施行前に課題の洗い出しや対応策の検討を行うことを強く要望した。前回の部会で提案があった追加負担対象外となる低所得者(現行案は生活保護者のみが対象)の範囲拡大については、賛否両論が示された。