インフルエンザの感染拡大が例年より早く進んでいる。8月31日に厚生労働省が開いた記者勉強会で、国立感染症研究所感染症サーベイランス研究部の神垣太郎氏は、2026年第34週(8月17~23日)までの定点当たり報告数が、感染症流行の目安となる1.00を超え、1.11となったことを報告した。昨年は第39週に同目安を超えており、今年は5週早い。定点当たりの報告数は9週連続で増加している。
第34週の報告では、特定の年齢層に限らず感染が広がっていることが示された。中でも0~9歳の小児の報告数が目立つ。新規入院患者数も増加傾向にあり、第34週には167例が報告。このうち70歳代と80歳以上を合わせると約半数を占めた。
神垣氏は現時点では中部・近畿・中国地方が比較的低い水準にとどまっているものの、局地的な流行ではなく全国的に拡大傾向にあると説明した。病原体サーベイランスでも、30週以降インフルエンザA型の陽性数・陽性率が上昇。8月26日時点のウイルス検出状況では、今年はA(H1N1)pdm09が86%と多く、昨年秋の流行の主体だったA型H3N2の報告は14%で、昨年と異なるインフルエンザ亜型による流行であることが示された。
今回の流行開始が例年より早くなった理由について、神垣氏は「不明」としながらも、「国内外からのウイルスの流入、人の移動や接触機会、年齢層ごとの免疫状況、ワクチンの接種歴など、総合的に検討する必要がある」と指摘。特に、夏休み明けに学校で児童・生徒の接触機会が増えることから、今後の感染動向を注視していく必要があるとした。
厚労省は、手洗い・手指消毒、咳エチケット、換気など基本的な感染対策を呼びかけている。
インフルエンザワクチンについては、今シーズンは9月第2週から医療機関への納品が始まる予定。自治体の準備状況に応じて前倒しでワクチン接種を実施することも可能としている。