中央社会保険医療協議会総会は8月26日、「妊娠・出産・産後における診療やケアの内容等に関する検討会」の設置について報告を受けた。中医協での議論に先立ち、出産に関する給付体系の見直しに向けた論点を整理することが狙い。
妊娠・出産に伴う経済的負担の軽減策として、先の特別国会では①保険診療以外の分娩(正常分娩の費用)について国が基本単価を設定。保険者から分娩施設に直接支給(現物給付化)することにより、妊婦の自己負担が生じないようにする、②前者とは別に全ての妊婦に定額の現金給付を行う(保険診療の一部負担への充当など想定)、③当面の間は分娩施設単位で現行制度(出産育児一時金)と新制度(現物給付)を選択できる仕組みとする─ことなどを盛り込んだ改正健康保険法が成立した。施行は公布から2年以内の政令で定める日とされ、2028年度中の導入が見込まれる。
検討会には周産期医療の専門家や行政関係者も参画し、10月以降、月1〜2回のペースで会合を開く。主な検討事項は①出産に関する診療・ケア体制や内容、②施設基準等の検討に必要な着眼点、③前出の2項目に関連する妊娠から産後にわたる支援体制─とし、12月頃を目途にとりまとめを行い、以降の議論は中医協に引き継がれる。
診療側の江澤和彦委員(日本医師会常任理事)は、「新たな制度の実現にあたっては、現在各地で分娩に尽力いただいている医療機関が安定的に運営を継続できることが大前提となる」とし、妊産婦の経済的負担軽減と医業経営の維持を両立できる制度設計と適切な給付水準の設定を強く要望した。