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食道良性腫瘍[私の治療]

登録日: 2026.08.20 最終更新日: 2026.08.20

蒲生彩香 (国立国際医療センター消化器内科) 秋山純一 (国立国際医療センター消化器内科診療科長)

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食道の良性腫瘍は上皮性と非上皮性(食道粘膜下腫瘍)に大別される。上皮性として食道乳頭腫があり,食道粘膜下腫瘍として,平滑筋腫,脂肪腫,リンパ管腫,海綿状血管腫,gastrointestinal stromal tumor(GIST),顆粒細胞腫,pyogenic granuloma(lobular capillary hemangioma),線維腫,fibrovascular polypなどが挙げられる。そのほか良性腫瘍以外の良性構造物としてglycogenic acanthosis(グリコーゲンを含む扁平上皮の過形成)やhyperkeratosis(粘膜上皮の錯角化層の肥厚した変化)などがある。
食道粘膜下腫瘍で最も頻度が高いのは平滑筋腫であり,70%と報告されている1)。稀な食道GIST以外は一般的には良性腫瘍であるため,GIST以外について記載する〔消化管間質腫瘍(GIST)の稿を参照〕。

▶診断のポイント

一般的に無症状のことが多く,上部消化管内視鏡検査(EGD)を受ける際に偶然発見されることが多い。EGDで病変の大きさ,表面粘膜の性状,隆起の形状,色調を確認する。食道粘膜下腫瘍であれば,生検鉗子を用いて腫瘍を圧迫し,硬さや可動性を確認する。食道粘膜下腫瘍は正常上皮に覆われており,通常の生検では診断がつかない場合が多いため,必要に応じて超音波内視鏡下穿刺吸引生検(EUS-FNA)やボーリング生検により組織採取を試みる。さらに,CT検査やMRI検査で内部の性状や腫瘍の広がりを調べ,これらの検査を組み合わせて総合的に診断する。

【上皮性良性腫瘍】

食道乳頭腫はイソギンチャク型,桑実型などにわけられ,特徴的な内視鏡所見を呈する。いずれも口径不同のない血管を認める。食道癌との鑑別が難しい場合はヨード染色を検討する。

【食道粘膜下腫瘍】

表面平滑で硬い食道粘膜下腫瘍には,平滑筋腫,神経鞘腫,GIST,顆粒細胞腫が含まれ,その中で周囲と同色調なのは平滑筋腫,神経鞘腫,GISTである。顆粒細胞腫は黄白色調を呈する。表面平滑で軟らかい食道粘膜下腫瘍には脂肪腫,リンパ管腫,軟血管腫が含まれ,軟血管腫は暗赤色調,脂肪腫はやや黄色調,リンパ管腫は漿液性で透過性を示す。頸部食道には脂肪腫,上部食道には血管腫や神経鞘腫,中下部食道には顆粒細胞腫,下部食道には平滑筋腫が好発する。

超音波内視鏡(EUS)では第1,2層が粘膜層,第3層が粘膜下層,第4層が固有筋層の内輪筋層,第5層が内輪筋層と外縦筋層の境界,第6層が固有筋層の外縦筋層,第7層が外膜として観察され,EUSで内部性状や存在部位,発生部位を推定する()。

免疫組織染色で,KITとCD34が陰性でデスミン陽性ならば平滑筋腫,KITとCD34が陰性でS-100蛋白陽性なら神経鞘腫と診断する。PAS染色で細胞質の顆粒が陽性となり,免疫染色でS-100およびNSEが陽性,電子顕微鏡的観察や免疫組織学的特徴から神経由来と考えられた場合,顆粒細胞腫と診断する。KIT陽性であればGISTと診断する(なお,c-kitPDGFRA遺伝子変異の検索でGISTの診断に至ることがある)。


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