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消化管間質腫瘍(GIST)[私の治療]

登録日: 2026.07.10 最終更新日: 2026.07.10

浜本康夫 (東京科学大学大学院医歯学総合研究科臨床腫瘍学分野主任教)

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消化管間質腫瘍(gastrointestinal stromal tumor:GIST)は消化管間葉系腫瘍の中で最も頻度が高く,その約90%でKITまたはPDGFRAの活性化変異を認める。c-kit exon11変異例ではイマチニブ感受性が高く,exon9変異・野生例では感受性が低い。分子標的治療の進歩により,進行・再発例においてはチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)の逐次投与が標準治療となり,腫瘍の長期制御が可能となっている。一方で,他の固形腫瘍と異なり,GISTは「腫瘍を消失させる」と言うよりも「長期にわたり腫瘍を抑制し続ける」慢性疾患的マネジメントが重視される。

▶診断のポイント

病理学的にはKIT(CD117)およびDOG1の免疫染色が有用で,遺伝子変異解析を施行することで治療感受性の推定が可能となる。画像診断では造影効果の低下や腫瘍密度の変化を厳密に評価し,単純CTを併用することで判定の再現性を確保する。局所進行例では腫瘍径・核分裂像・原発部位から再発リスクを推定し,治療戦略を決定する。

▶私の治療方針・処方の組み立て方

転移・再発GISTの初回治療はイマチニブ400mg/日が基本であるが1),導入初期2週間の有害事象管理が治療継続性を大きく左右する。浮腫,悪心,皮疹,貧血,肝障害などは開始早期に集中する。特に胃全摘後症例では消化器症状が顕著で,場合によっては入院での導入が望ましい。食欲不振や悪心が強いため,制吐薬や栄養サポートなどの支持療法を初期から積極的に行う。重要な点は,2週間を経過するとイマチニブ血中濃度が安定し,有害事象が劇的に軽減するケースが多いということである。この特徴を患者に説明し,導入期のアドヒアランス低下を防止する。皮疹は高頻度で発現するが,休薬・抗ヒスタミン薬・ステロイド外用薬などでコントロール可能であり,重篤化することは稀である。多くの例では再開時も400mg/日で継続可能である。忍容性が問題となる場合,1日量を2回にわけて投与することで血中濃度ピークを緩和し,有害事象を軽減できることがある。減量は必要に応じて300mg/日まで許容する。


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