HPVワクチン男性接種の定期接種化について議論した7月22日の厚生科学審議会のワクチン評価小委員会(委員長:鈴木基国立感染症研究所感染症疫学センター長)で結論が先送りとなったことを受け、MSDは28日、「一刻も早い男性接種の定期接種化」を要望するステートメントを発表した。
日本で男性への接種が承認されているHPVワクチンは、9価ワクチン「シルガード9」と4価ワクチン「ガーダシル」。いずれもMSDが製造販売している。
22日のワクチン評価小委員会では、厚生労働科学研究による費用対効果の分析結果が示され、薬事承認上の適応疾患(尖圭コンジローマ・肛門がん)の予防効果を考慮した解析でも、適応疾患に加えて中咽頭がん・陰茎がんの予防効果を考慮した解析でも「(男性への9価HPVワクチン接種の)費用対効果には課題がある」とされた。
■「女性への間接効果が評価されていない」
これについてMSDは、男性接種は性交渉を介したHPVの感染伝播を抑制し、子宮頸がん予防にもつながるという「女性への間接効果」が評価されていないと指摘。
「(既に約4年にわたって議論している小委員会で)男性の定期接種化がさらに先延ばしとなったことは、日本の公衆衛生上深刻な問題」「(日本政府が掲げる)『攻めの予防医療』では重点領域として『がん』が掲げられたが、これに沿った政策決定が望まれる」とし、男女問わず日本人をHPV関連がん・疾患から守るためには「一刻も早い男性接種の定期接種化が必要」と訴えている。