厚生労働省は7月23日の社会保障審議会介護給付費分科会に、中山間・人口減少地域のサービス提供体制確保のために創設される「特定地域サービス」に関する論点を提示した。既存の基準該当サービスなどを参考に人員配置基準の弾力化について検討することや、移動コストを考慮した報酬設計とすることなどを盛り込んだ。
中山間・人口減少地域では高齢者人口の減少や生産年齢人口の減少による介護人材不足が極めて深刻であり、サービス提供体制の維持が困難となっている。そこで2027年4月に施行予定の制度改正では、中山間・人口減少地域を対象に特定地域サービス(居宅・施設サービス等)を創設。特例介護サービス(現行は基準該当サービスや離島等相当サービスがある)の新類型に位置づけ、人員配置基準の弾力的な運用を可能にするとともに、突然のキャンセルなどによる事業所経営への影響が特に大きい訪問介護などについて包括的な評価(月単位の定額報酬)との選択制を導入する。
厚労省はこの日提示した論点で、人員配置基準の弾力化については、現行の基準該当サービスの対象サービスや施設サービス、居宅サービスを念頭に置いて検討を進めることを提案。サービス事業所間の連携やICT機器の活用を前提とした管理者・専門職の配置の弾力的な対応を検討することや、サービスの質低下を招くことのないよう外部の目が入る仕組みを検討する考えも打ち出した。
■包括的評価は移動コストも考慮した段階的な報酬設定を検討
包括的な評価の仕組みは、戸別訪問型の訪問介護事業所への対応を念頭に、移動コストへの対応も含め、事業所経営の予見性を高められるような報酬設計とすることを提案した。その上で、①事務負担の軽減を図る観点からの各種加算の包括化の検討、②利用回数・利用形態等を考慮した複数段階の報酬設定の検討、③事業者が必要なサービス提供を控える等のモラルハザードを抑制するための外部の目が入る仕組みの検討─を分科会に要請した。
こうした方向性に目立った反論はなかったが、人員配置基準の弾力化については複数の委員がサービスの質や利用者の安全性を確保するための対応が不可欠と指摘。包括的評価の導入については、利用者負担や保険料負担への影響を十分考慮した報酬水準とすべきだとの意見があった。