気管支喘息は,発作性に生じる気道狭窄により,咳嗽・呼吸困難・呼気性喘鳴を呈する疾患である1)。基本病態は気道の慢性炎症であり,これに伴う気道過敏性の亢進に対し各種の誘発・増悪因子が作用することで,気道平滑筋の収縮,気道粘膜の浮腫,気道分泌亢進が生じ,可逆的な気流制限をきたす。発症リスクとしては,家族歴や性別,アレルギー素因といった個体因子に加え,アレルゲン曝露,ウイルス性呼吸器感染,喫煙(受動喫煙含む)などの環境因子が関与することが知られている。近年,小児喘息の有病率は低下傾向で,喘息による死亡も稀となっている。一方で,長期予後は必ずしも良好とは限らず,一部では成人期にも呼吸機能障害が残存し,慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)に移行する例も報告されている。そのため,小児期からの適切な介入が求められる。
▶診断のポイント
反復する典型的な喘息症状(喘鳴・咳嗽・呼吸困難)に加え,運動・啼泣時の咳嗽など気道過敏性を示唆する所見,アレルギー疾患の既往歴・家族歴,β2刺激薬への反応性などを総合的に評価して診断する。同時に,先天性心疾患や気道の解剖学的異常,気管内異物,誘発性喉頭閉塞症(inducible laryngeal obstruction:ILO),鼻副鼻腔炎,胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease:GERD)など,他疾患の除外が重要である。補助検査として,特異的IgE抗体価・末梢血好酸球数・呼吸機能・気道過敏性・呼気中一酸化窒素濃度(FeNO)検査などが有用である。
