国立大学病院長会議の大鳥精司会長(千葉大病院長)は7月7日の記者会見で、2026年度診療報酬改定で新設された「外科医療確保特別加算」の各大学の届出状況を公表した。会員病院のうち加算の届出が可能なすべての病院(42病院)が届出を進めており、加算の要件である「医師への手当支給」の支給率(加算額に対する割合)は下限の30%から100%まで多様であることが明らかになった。
外科医療確保特別加算は、外科医の勤務環境改善のため、長時間・高難度の手術を実施した場合に手術点数の15%の加算を可能とするもの。対象診療科は、若手医師が減少傾向にあるとされる消化器外科、心臓血管外科、小児外科。「当該診療科の医師が行った対象手術件数に応じ、当該加算額の30%以上の手当を対象診療科の医師に支給すること」が要件とされている。
■支給率「30~40%」が最多、徳島大学は「100%」
手当の支給率は各病院の判断に委ねられており、国立大学病院長会議の調査(複数回答)によると、支給率「30~40%」が16施設、「41~50%」が15施設、「71~80%」が7施設、「61~70%」が4施設、「51~60%」「81~90%」「91~100%」が各1施設となっている。最も高いのは徳島大病院の100%、次に高いのは富山大病院の90%だった。
大鳥会長は、加算分を執刀医や上級医のみに配分するのではなく、手術前後の診療を担う若手医師を含め、外科診療を支える医師に幅広く還元する大学病院が多いと説明。「若手の育成が大事」との観点から医局員や外科系スタッフ全体を対象とする例もみられるとした。
算定開始時期については、19病院が6月から開始、残りの病院も順次算定を始めるとした。
■「医療・介護等支援パッケージ」などの支援で赤字幅減少
同日の記者会見では、国立大学病院の2025年度決算の速報値も公表された。厚労省の補正予算事業「医療・介護等支援パッケージ」などの支援により経常損益ベースで前年度決算の286億円赤字から244億円赤字に改善する見込みであるものの、厳しい経営状況が続いていることが明らかになった。