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■NEWS 生薬模擬調剤など充実した体験型展示で漢方・生薬の理解を深める─ツムラ漢方記念館

登録日: 2026.06.25 最終更新日: 2026.06.25

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株式会社ツムラは6月16日、茨城県稲敷郡にあるツムラ漢方記念館でメディア向けの特別ツアーを開催した。ツムラ漢方記念館は創業100周年を記念して設立された医療関係者向けの見学施設。記念館を含む敷地面積はおよそ178.000㎡で野球場4つ分程度。記念館のほか工場施設や研究施設、薬草見本園が設置されている。2025年にリニューアルし、より幅広い年代に漢方や生薬への理解やツムラの品質への取り組みがわかりやすく伝わるよう、イラストや写真を多く取り入れた体験型の展示が充実、25年度は約4000人の医療関係者が見学に訪れた。

薬学部の実習生が模擬調剤を体験できるTSUMURA KAMPO LABO

館内には生薬について学べるエリアとして、1階に薬学部の実務実習生が刻み生薬の模擬調剤を体験できる「ツムラ漢方ラボ」が設置。生薬体験コーナーでは約70種類の生薬の見本が揃えられ、実際に手にとって香りや色、形を確かめながら学べる空間を設けている。2階では大型ビジョンにより、生薬の栽培・調達から製造・販売までの流れや産地・品質などの情報がわかりやすく映像で紹介されている。

生薬シンボルゾーンには116種類の見本が展示されている

生薬体験コーナーでは、68種類の生薬見本を実際に手にとって香りや色、形を確かめることができる

製品の製造方法に加え、これまでに製造された同社製品も展示。製品のパッケージにも識別性と安全性を高めるための工夫が紹介されている。製品は10種類の色で分類、番号の下1桁ごとに色分けされている。番号が似た製品を取り違えるリスクを低減するための工夫で、色により直感的に識別できるよう設計されている。パッケージにはライン(帯)が印刷されており、10番台は太いライン1本、40番台は4本と製品番号の10の位を識別できるよう設計されている。仮に製品番号や名称が見えなくなった場合でも、パッケージの色とラインの組み合わせから製品を特定することができるようにしている。

同館館長の吉田勝明氏は、「漢方の正しい情報を発信し、ワクワクドキドキしながら楽しく漢方や生薬を学べるコミュニケーション施設を目指していきたい」と抱負を語り、体験型の展示や五感を活用した学びを通じて漢方の正しい知識を発信し、来館者が楽しみながら理解を深められる施設づくりを進めていく方針だ。

株式会社ツムラがこれまでに製造してきた製品一覧

■西洋医学と漢方の併用でQOL向上を目指す─黄鼎文氏

ツアーでは、つくばウロケアクリニック院長の黄鼎文(ファン ティンウェン)氏による講演も行われた。ライフステージに伴って生じるさまざまな不調に対する漢方治療の考え方と実臨床での活用について解説した。

黄氏は、漢方では「気・血・水」のバランスを重視すると説明。「気」はエネルギーを生み出し、全身を動かく原動力となるもの、「血」は全身に栄養を運び、心と体を動かすもの、「水」は体内の水分を調整し、潤いや代謝を支えるものであり、それぞれの乱れがさまざまな不調につながると説明した。不調の例として冷えや立ちくらみ、疲労感などを「血虚」と捉え、症状に応じた漢方薬を選択する考え方を紹介。血虚は血液の不足や循環器の機能低下が体の冷えや気の消耗、修復・防御能力の低下を招くため、補血薬である芍薬・当帰などの生薬が配合された当帰芍薬散や桂枝茯笭丸、加味逍遙散が処方されると述べた。

黄氏は、漢方の位置づけについて「器質的な病気は西洋医学による診断・治療が優先、機能的な不調は漢方が向くことがある」とし、西洋医学を補完し患者のQOL向上に貢献する治療の選択肢として、漢方の意義を強調した。なお同館は一般公開されておらず、見学の対象は医療従事者に限られている。見学を希望する場合は、担当MRを通して問い合わせが可能となっている。

「細かな不調に漢方が役立つ」QOL向上における漢方の意義を説明する黄氏


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