内科系学会社会保険連合(内保連)、外科系学会社会保険委員会連合(外保連)、看護系学会等社会保険連合(看保連)から構成される三保連は、6月19日に2026年度診療報酬改定をテーマとしたシンポジウムを開催し、各団体の立場から改定内容を総括した。
内保連の待鳥詔洋副理事長は、今回の改定で、重症度、医療・看護必要度の見直しに関する提案の一部が採用され、「ホリナートカルシウム」「ラスブリカーゼ」といった抗悪性腫瘍剤がA項目に、腰椎腰椎穿刺や内視鏡的胃・十二指腸ステント留置術などの新たな診療行為がC項目に追加されたことを報告。「これまで過小評価されがちだった重症内科症例の評価を前進させる内容」と評価する一方で、内科医が担う多疾患患者の総合的な診療や治療の優先順位づけといった見えにくい価値が診療報酬上で十分には評価されていないとの認識を示した。
外保連は、外科医不足への対策が今回の改定の特徴だったと総括し、地域医療体制確保加算や外科医療特別加算が新設された点を評価した。渡邊雅之実務委員長は減少傾向が著し消化器外科医数について、10年後に約26%、20年後には約50%減少するとの試算を提示。「消化器外科領域は非常に危機的な状況にある」と危惧。ロボット支援手術の対象術式が拡大、施設基準に症例数が設定されるなど外科医を集約化する方向性が明確に示されたと評価する一方で、「個別の術式に対する増点はほぼ認められず、適正な評価はなされていない」と指摘した。次期2028年度改定に向けては、手術室の安全性評価や高額医療機器のコスト評価などを検討するワーキンググループを設置し、手術医療の実態をより反映した診療報酬体系の構築を目指す考えを示した。
看保連の福井トシ子代表理事は「看護にとっては厳しい結果だった」と振り返った。患者ニーズに応じた支援体制の強化や専門性の高い看護、DXを活用した看護提供体制の評価を要望したものの、受け入れられなかったことを理由に挙げた。慢性心不全患者の再入院予防に関する評価、インスリン使用患者への遠隔指導の評価については、成果が得られたと述べた。
シンポでは、2040年を見据えた医療提供体制について議論が交わされた。医療機関同士の機能分化だけでなく、医療・介護・福祉の連携強化が不可欠との認識が示され、DXの活用による情報連携、医療・介護データを一体的に把握できる仕組みづくりの必要性が今後の課題として共有された。

「重症内科症例の評価を前進させる内容」と改定内容を評価する内保連の待鳥副理事長

外科医減少への危機感を指摘した外保連の渡邊実務委員長