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多系統萎縮症(MSA)……じゃない?[〈出会ったときに意外と困る!〉脳神経内科[年イチ]症例集(4)]

登録日: 2026.06.18 最終更新日: 2026.06.18

大久保 颯 (東京大学大学院医学系研究科神経内科) 松川敬志 (東京大学大学院医学系研究科神経内科 助教)

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年1回くらいは経験するけれども,いざ出会ったときに困る症例を共有!

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症例 20歳代,女性

●病歴

患者は20歳代後半の米国ハワイ出身女性。X-2年より,明らかな誘因なく歩行時の不安定感を自覚し,徐々に進行した。X-1年頃から動作緩慢が目立つようになり,近医でパーキンソン病と診断された。レボドパ・カルビドパ配合剤の投与が開始されたが,症状の改善は乏しかった。再精査目的にX年,当科を紹介受診した。

既往歴に特記すべき事項はない。家族歴に神経疾患はなく,血族婚の情報もなかった。

●主な身体所見・神経学的所見

一般身体所見:症状との関連は不明であるが,両側第4趾の中足骨短縮症を認めた(図1a)。他に特記すべき所見なし。

神経学的所見:小声で単調な発話を認め,左優位の歯車様筋強剛,安静時振戦,Myerson徴候を含め,パーキンソニズムを支持する所見を認めた。歩行は小刻み歩行であった。下顎反射および四肢腱反射は亢進しており,両側Chaddock徴候陽性を認め,錐体路障害の合併が示唆された。

診察上,感覚障害は認めず,小脳性協調運動障害を示唆する所見も認めなかった。

自律神経系においては,便秘および尿失禁を伴っていたが起立性低血圧は認めなかった。

●主な検査所見

血液検査,髄液検査:症状を説明する異常所見はみられなかったが,肝機能障害を呈していないにもかかわらず,血清オートタキシン値が4.67ng/mL(基準値0.56〜1.21)と著明高値であった。

頭部MRI(図1b):小脳萎縮を認めた。鉄沈着は認めなかった。

脳血流SPECT(図1c):小脳の血流低下を認めた。

ドパミントランスポーターシンチグラフィ(図1d):右優位の基底核集積低下を認めた。

心筋MIBGシンチグラフィ:集積低下を認めなかった。

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