検索

×
絞り込み:
124
カテゴリー
診療科
コーナー
解説文、目次
著者名
シリーズ

■NEWS 2026年度改定「ありがたい改定だが手術の評価に変化はなかった」と総括─外保連・瀬戸会長

登録日: 2026.06.05 最終更新日: 2026.06.05

お気に入りに登録する

外科系学会社会保険委員会連合(外保連)は、6月1日に記者懇談会を開催し、2026年度診療報酬改定に対する見解を示した。

冒頭、瀬戸泰之会長(国立がん研究センター中央病院長)は、外科医療特別加算やロボット支援技術に関する評価など、外保連の要望が反映された項目について「非常にありがたい改定であることは間違いない」と評価した。一方で、中小規模病院にとっては恩恵が不明瞭であり、「手術そのものは残念ながら変化がなかった」と指摘。術式ごとの適切な評価を進める必要があるとして、すでに2028年度改定に向けた働きかけを開始していると明らかにした。

■特定保健医療材料の逆ザヤ問題に危機感

渡邊雅之実務委員長(公益財団法人がん研究会有明病院長)は、特定保健医療材料において「実勢価格が保険償還価格を上回る状態」の”逆ザヤ”が発生している実態について説明した。26年度改定では大きな制度変更はなかったものの、中医協資料で逆ザヤの状況が記載された点に対して「大きな進歩だ」と評価。その上で、材料価格の高騰により逆ザヤとなる製品の割合が増加傾向にあり、医療機関の負担が拡大していると問題視した。海外平均価格が上昇する一方、日本の保険償還価格が低下傾向にあることから、価格差の拡大によって国内での製品供給に影響が及ぶ懸念があるとして、次期改定に向けて逆ザヤ解消に向けた対策について重点的に訴えていく考えを示した。

■整形外科、術式増加を評価しつつも手術料の改善は限定的

川瀬弘一手術委員長(聖マリアンナ医科大学理事)は、整形外科領域でKコードの大幅な見直しが行われたことに対し、術式数が大幅に増加した点を評価した。一方で手術料の増点については期待していた結果に至らなかったとの認識を示した。

検査分野を巡っては、土田敬明検査委員長(国立がん研究センター中央病院内視鏡科呼吸器内視鏡医長)が新設を提案した検査のうち20件中4件が実現、改正を提案した検査のうち22件中3件の評価見直しがあったことを報告。2024年度改定と比較すると増加傾向にあるものの、2022年度改定との比較では大きな進展が見られないと分析した。今後はAIを活用した検査技術に対する技術料評価の確立に注力する方針を示した。

一方、清水伸幸内視鏡委員長(国際医療福祉大学医学教育統括センター副センター長)は、外保連経由で要望した新設技術6項目がすべて考慮されなかった点を踏まえ、「きわめて厳しい改定となった」と総括した。外保連・内保連経由での要望項目以外にも、一部で要望内容を反映したとみられる改定項目が存在したと指摘し、増点された項目が一律で2割増となった点に言及。2割という数字について「どこに根拠があるかこれから検証していかなければならない」と述べた。

■次期改定に向け議論本格化

記者懇談会では、26年度改定について一定の成果を評価する声が各委員から挙がる一方で、依然として多くの課題が残されていることが共有された。

瀬戸会長は、今回の改定の背景には消化器外科医の不足や診療科による医師偏在問題があったことを説明。循環器内科や小児外科、心臓血管外科については、学会内における若手医師の割合が低く、地域医療保険体制確保加算2による対応が行われていることを踏まえ、今後ほかの診療科においても同様の人材不足が顕在化した場合には、診療報酬上の支援のあり方を新たな議論の対象としていく必要があるとの認識を示した。

冒頭の瀬戸泰之会長

逆ザヤについて説明する渡邊雅之実務委員長

内視鏡関連項目について発表する清水伸幸内視鏡委員長


1