key word:医師法第19条,院内掲示,不退去罪
医療機関の顧問弁護士として日々ご相談を頂く中で,最近,特に増加しているのが「カスタマーハラスメント(カスハラ)」への対応です。診療上の不満のみならず,待ち時間の長さやスタッフの些細な言動をきっかけに,執拗な謝罪要求や大声での恫喝を行う患者,あるいはその家族が少なくありません。こうした事態に直面した際,多くの先生方を悩ませるのが「応召義務」の存在です。「どんなに理不尽な要求をされても,診療を拒否すれば医師法違反になるのではないか」という不安から,現場が疲弊し,結果として大切なスタッフが離職してしまうケースも見受けられます。
今回は,令和元年12月25日付で厚生労働省から発表された「応招義務をはじめとした診察治療の求めに対する適切な対応の在り方等について」をふまえつつ,カスハラに対する応召義務と,スタッフを守るための具体的なリスクヘッジについてお話ししたいと思います。