薬事審議会の専門部会(再生医療等製品・生物由来技術部会)は5月21日、岡山大発バイオベンチャーのオンコリスバイオファーマが承認申請している腫瘍溶解ウイルス製剤「テロメライシン注」(一般名:スラタデノツレブ)について審議し、薬事承認することを了承した。
テロメライシンは、岡山大で開発された国産の抗がんウイルス製剤。多くのがん細胞で活性が上昇する酵素「テロメラーゼ」のプロモーターを遺伝子改変によって組み込んだアデノウイルスを主成分としており、がん細胞中で特異的に増殖しがん細胞を破壊する。テロメラーゼ活性がない正常細胞では増殖しないため、安全性は保たれるとされている。
■「食道がん」が対象、臨床試験での「局所完全奏効率」50%
岡山大病院など全国17施設で実施された第Ⅱ相臨床試験では、根治切除や化学放射線療法が適応とならない局所進行食道がん患者37人を対象に、放射線療法との併用によるテロメライシンの有効性・安全性を検討。主要評価項目である「局所完全奏効率」は投与開始後24週で41.7%、18カ月で50.0%に達し、放射線治療への増強効果が確認された。
21日の薬事審部会では、効能・効果を「根治切除および化学放射線療法の適応とならない食道がん」とし、条件・期限付き承認ではなく通常承認とすることが了承された。
オンコリスバイオファーマは、正式承認の取得、薬価収載を経て、テロメライシン注の販売を開始するとしている。販売は富士フイルム富山化学が行う予定。これまで国内で承認された抗がんウイルス製剤には、東大医科研で開発された第一三共の「デリタクト注」などがある。