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■NEWS 医師の働き方改革開始から2年 改善は進むも負担増の実態

登録日: 2026.04.28 最終更新日: 2026.04.28

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全国医学部長病院長会議は4月24日に会見を開き、大学病院を対象とした「医師の働き方改革に関するアンケート調査」の調査結果を公表した。同調査は2026年1月から2月にかけ、会員81大学の本院および大学病院に勤務する医師を対象に実施。大学病院調査では、81大学、個人調査では有効回答4066人から回答を得た。医師の働き方改革開始から2年が経過する中で労働時間の是正など一定の改善が見られる一方、診療時間の増加や研究時間の減少といった新たな課題が浮き彫りとなった。

調査結果によると労働時間の状況については、週60時間以上の勤務割合が2024年5月調査の24.7%から2026年1月調査では24.1%と、大きな変化は見られなかった。一方で、週平均の総労働時間は前回調査時の51.9時間から55.1時間へと3.2時間増加していた。

業務の内訳では、診療時間の増加に対し、研究時間は減少傾向にある。特に助教授をはじめとした若手医師において研究時間の確保が難しい状況が続いており、診療中心の業務構造が一層強まっている実態が明らかとなった。

■AI・ICT活用進むも、人材不足と財政負担が課題

勤務時間短縮に向けた取り組みとして各病院では、複数主治医制やタスクシフト、チーム医療の推進などを進めている。また、ICTの活用も拡大しており、AIによる診療負担軽減の取組みは約半数の大学で導入されている。

一方で、こうした取組みを進める上では、人材不足や財政負担の問題が大きな課題となっている。医師業務の移管を担う人材の確保や、ICT・AI導入に伴うコスト増が経営を圧迫しているとの指摘も多い。

さらに、大学病院全体としては、診療規模の拡大に伴い収益構造の厳しさも増している。増収であっても利益率が低下する傾向が続いており、診療への比重が高まる一方で、研究時間の確保が難しくなるなど、教育機関としての機能とのバランスに課題が残る。

こうした状況を踏まえ、同会議の医師の働き方改革検討委員会の前田嘉信委員長は働き方改革の推進と大学病院の機能維持を両立するためには、人的体制の強化や国による財政的支援の拡充が不可欠と指摘。制度の見直しとあわせ、持続可能な医療提供体制の構築に向けた対応を求めた。


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