医療法の一部改正で2026年4月1日から施行される外来医師過多区域での無床診療所開設への対応で、厚生労働省は3月19日、関係省令を公布した。
同日に発出した医政局長通知では、法改正の趣旨や制度運用の詳細を示した。主な内容をみると、外来医師過多区域は省令で定める基準を超える区域の中でも特に対応が必要な区域を都道府県知事が指定し、公示する。省令で定める基準は、外来医師偏在指標が「全国平均値+標準偏差」の1.5倍以上、かつ可住地面積当たり診療所数が全国の二次医療圏の上位10%以上に該当する場合とする。①東京都の区中央部(該当区市町村:千代田区、中央区、港区、文京区、台東区)、②東京都の区西部(新宿区、中野区、杉並区)、③東京都の区西南部(目黒区、世田谷区、渋谷区)、④京都府の京都・乙訓(京都市、向日市、長岡京市、大山崎町)、⑤大阪府の大阪市(大阪市)、⑥福岡県の福岡・糸島(福岡市、糸島市)、⑦東京都の区南部(品川区、大田区)、⑧東京都の区西北部(豊島区、北区、板橋区、練馬区)、⑨兵庫県の神戸(神戸市)─の9つの二次医療圏が候補となる。
都道府県はあらかじめ外来医療に関する協議の場で各地域において特に必要とされる外来医療(=地域外来医療)を定めて公表する。外来医師過多区域での無床診開設希望者には、原則として開設日の6カ月前までに地域外来医療の提供に関する意向の有無等を記載した届出書を提出するよう求める。届出をしない、または虚偽の届出をした者には、30万円以下の罰金を科す。
地域外来医療の提供意向がない開設希望者には①外来医療の協議の場への参加と理由の説明を求める、②やむを得ない理由があると認められない場合は期限(原則2週間)を定めて地域外来医療の提供を要請する、③開設後も要請に応じていないことが認められる場合は都道府県医療審議会への出席と理由の説明を求める、④やむを得ない理由があると認められない場合は地域外来医療の提供を勧告する、⑤勧告に従わなかった場合はその旨を公表する─などの対応を段階的に行う。
■保険医療機関の指定期間、3度目の指定以降も勧告に応じなければ2年に短縮可
こうした医療法上の対応に加え、健康保険法上の対応として保険医療機関の指定期間を短縮する措置も併せて実施。通常は6年のところ、要請・勧告を受けた場合や保険医療機関の再指定時に勧告に従わない状態が続いていた場合は3年、再々指定時以降も勧告に従わない状態が続いた場合は2年に短縮できるようにする。
また、実効性確保のため改正医療法の附則には、施行後3年を目途として無床診の新規開設数が廃止数を上回る外来医師過多区域がある場合には、「当該区域における新たな無床診の在り方について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずる」との見直し規定が設けられている。