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■NEWS 三尖弁閉鎖不全症に新たな選択肢「カテーテルで治療できる時代に」─アボットメディカルジャパンセミナーで国循・天木氏

登録日: 2026.03.24 最終更新日: 2026.03.24

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重度の三尖弁閉鎖不全症(TR)に対する日本初の経皮的三尖弁接合不全修復システム「TriClip」が上市されたことを受け、アボットメディカルジャパン合同会社は3月18日にメディア向けセミナーを開催した。登壇した国立循環器病研究センターの天木誠氏は、TriClipが保険収載された意義について「弁膜症を伴う心不全はカテーテルで治療できる時代になっている」と強調し、TRの治療の新たな選択肢に期待感を示した。

TRは三尖弁の接合不全により右室から右房へ血液が逆流する病態で、心房細動や心拡大による二次性のものが多い。自覚症状が軽微なまま肝硬変や腎不全、心不全へと移行し、重症化する患者が増えている。従来TRに対する治療は薬物療法や外科手術が主流だったが、利尿剤による薬物治療では根本的な改善が難しく、開心術ではリスクが高いため治療法の限界が課題とされてきた。経皮的三尖弁クリップ術は、大腿静脈より経静脈的に三尖弁にアクセスし、自己心拍下でクリップを弁尖に留めることで逆流軽減を図る安全で低侵襲の術式。造影剤を使用しないため透析患者にも施行可能とされる。

同社によると薬物治療群とTriClip群を比較した海外の試験では、TriClip群で87%の患者が重症から中等度以下に改善、2年間で心不全による入院が28%低減されたという。国内の試験でも術後1年の死亡、腎機能障害などは報告されておらず、安全性と有効性が認められている。

セミナーで天木氏は、未診断の弁膜症患者が全体の7割に上ると説明、診断の遅れによる症状の進行を懸念。その上で「スクリーニングが非常に大事」と強調し、下肢の浮腫や体重の急激な増加といった症状のほか、頸静脈の怒張や拍動波がある場合は中等度以上のTRを疑い、心エコー検査や専門施設への紹介につなげる必要性を指摘した。

TriClip上市を受け、TR治療の現状を語る天木氏


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